やる気持続の傾向と対策

 別にRPGやゲームに限定しなくても、ソフトウェア開発であれば大抵当てはまることであろう。 膨大な作業量の果てに完成したところでプレイヤーはどんな反響を呼ぶかは未知。それまでの作業時間と結果が不釣り合いになること多数。 作業自体も実に地味、他者から見ればタダのオタク扱い。全国いや全世界のクリエーターに課せられた試練は皆同じ、 「いかにやる気を持続させて完成に至るか」である。

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作るからには目的を持つべし。

 さて、何故にそれほどまでして作り続ける? 賞金稼ぎのため? 有名になるため? 知人にやらせて笑わせるため?  自己満足のため? 暇つぶし? ……どれがいいとか悪いとか、それは作っている本人の価値観でどうにでも答えられる。 他人に対して全く口をはさむ権利は無い。自分がその目的のために一生懸命になれるのであれば、全く目的も持たずに生きるよりかは断然輝くはずである。
 目的が無いと、ふと我に返った時、間違い無くやめてしまうだろう。何しろこんな地味で根気の必要な作業を長時間やったところで 何の報酬も無いのだから…。

誰が何と言おうと最後までできるか?

 第三者から見ればこんなもののために手間暇かけている人間など理解できないであろう。そんな世間体に打ち勝つ勇気は あるか? そこまでして開発にはまる覚悟はあるか? 作る目的は様々だとはいえ、完成度を上げるならどうしても避けては 通れないだろう。はまればはまるほど納得行かないソフトの仕様にケチをつけたくもなる。それはやる気と情熱でソフトの開発者 に負けてない証拠。しかしそこで投げ出した時点でやはり負けたも同然である。
 開発環境は1つの方がいい。ツクールの新作が出るたびに買う人も多いが、従来のものと比較するのは大いに結構。 だが、そのたびに開発環境を乗り換えるのでは結局1作も完成しないことになる。こうして投げ出す例も多いようである。 かくいう当局でもRPGツクールは3・4・2000・XP・VXと所持しているが、現実にエンディングまで完成させたのは4と2000のみ。 中には完成とはいえ無理矢理エンディングに導いたようなものもあるが、それでも1つでも完成作品があると無いとではやる気に大きく左右した。 何でもいい、まずはどんなお馬鹿なものでもいいから最後まで完成させてみてはどうだろうか。これについては気合入れて作ること も無い。すぐに終わる短編でいいのだ。

締め切りは無い。だが……。

 市販のソフトウェアの開発と違い、自主制作ソフトには納品期限は存在しない。もっともコンテストやコミケに参加するとなれば別問題だが、 基本的に作業のノルマは自分で決めることになる。ここで「そんなもん全然考えてないぞー」と思った人はやる気持続について少々危ない。 だが、工程表を作成して「今日はここからここまで」などという細かな設定でもやはり守り切れずに投げ出すことになるだろう。
 ではどのくらいの計画を立てるか? 例えば当局で2000を購入した当初立てた予定は「素材1年・プログラム1年・テストと修正1年、 計3年」であった。非常に漠然としていてこんなんでいいのか? と思うであろう。意外だがこれぐらいでちょうど良かった。 …で実際どうなったか? 1年以上経過して素材さえ出揃わなかった。この時点で既に計画は滅茶苦茶である。 だが、「計3年」という予定を変えたくはなかった。そこで、1年経過したところで予定を変えた。「完成した素材から マップ組みを始める。足りない素材は随時描く。プログラムはできるところから進めていく。」結局予定も何もありゃしない。 完成時期だけ2年後、後は勝手にやれ、という計画になった。
 だが、全く予定を立てないよりかはずっと作業ははかどった。それは何故か? 漠然としているとはいえ、常に計画が 存在しているからである。完成時期を設定しただけでも少しは変わるのではないだろうか。「完成時期」というのはゲーム全体 のものでなくてもいい。1枚の絵、1人の主人公設定、1つの町のマップ組み……そんなちょっとしたことでも、完成時期を 決めるだけでダラダラした作業も少しは改善される…かもしれない。

やりたい作業からやるべし。

 当たり前だが自主制作は義務や強制ではない。だからやりたくなければやらなくていい。じゃあ何故にやる? それは やりたいからであろう。でも何でやる気が失せる? やりたい中にもやりたくない作業が含まれている。そこにぶち当たった時、やる気が失せるというわけである。 元来は「困難から逃避しては駄目だ」と小さい時から親や学校の先生に教わったはず。理由は人間として成長しないからである。
 だが、作業効率を考えた場合、「面倒な作業は後回し」という選択肢も有効となる。当然最後には面倒な作業が残るし、 最後まで行かなくても途中で面倒な作業をしないことには先に進めない局面に遭遇することになるだろう。
 実は、それまでにやったやりたい作業がもたらした効果によって、面倒な作業が緩和されることも起こり得るものである。。 一見面倒と思われた作業にももっと楽な方法があったり、全くやる必要がなくなったりすることもよくある。それに気付いた時、 地味な遠回りがタダの骨折り損になったりもする。それを食らった方が余計にやる気が失せるのである。 面倒な作業はできるだけ後回しにして、やりたい作業を続けるうちにもっと簡単にできないかを常に追及した方がいい。 どうしても避けて通れない場合だけは覚悟を決めてやるしかないのだが。

頭の中だけで作ろうとするな。

 簡単なプログラムであればメモを取らなくてもできる。だが、何十、何百行に及ぶ長いプログラムを何のメモも取らずに 完璧に作成できるだろうか? 答えは「プロのSEでもそんなことはやらない」である。紙に書く時間を惜しんでいたら、かえって時間がかかってしまったというのでは本末転倒…。 そんな状況でもし1個でもバグが見つかったら、あっという間にやる気は失せるだろう。
 頭の中で考えれれば考えるほど混乱しそうな場合は、まず紙と鉛筆を用意するべし。そして考えたことを片っ端から 書くことである。メモでいいとはいえ、やはり後から読めない文字では書かない方がいい。これによって混乱は消えるはずである。 結果的にこの作業がボツになった場合でも、あとで似たような作業を必要とする場合は読み返せばいい。頭の中だけで 考えていたら、再び混乱することになるだろう。別にゲーム作りでなくとも、日常生活において紙と鉛筆ぐらいは常に取り出せる位置に置いておくべきである。

「どこで一息着くか」が難しい。

 1日ではとても完成できないような長いイベントを作ることなどは当たり前である。さて、それじゃあどこで区切って 残りを明日に回すか? 簡単なようでもこの駆け引きは意外に難しい。特に一度作ったものを修正する場合は注意が 必要である。1箇所修正したつもりがその部分のせいで次々に連鎖することはザラなのである。この場合、その日のうちに 完璧に修正を済ませないと、日を改めて作業するとなった場合にどこから続けるかが把握できなくなる恐れがあり、 高確率でバグを生じさせる。こうならないために、作業が一段落したら常に次の作業に要する時間はある程度把握しておか なければならない。「まだ時間がある」と思っても時には早めに切り上げ、「もう時間だ」と思ってもすぐに終わるのであれば その日のうちに片付ける。どうしても途中で止めなきゃならない場合はそこまでの作業をメモしておくと無難である。

すぐに取り出せるように用意するもの。

 前述のようにメモ用紙と鉛筆は不可欠。他には辞書も欠かせない。当局では普段のサイト更新もあるので最も 使うのは漢字用例辞典。ワープロソフトでは構造上の誤字はあり得ないが、最大の欠点は同音語の誤った選択に 対応できないことである。よって国語辞典も無いと困るし、ファイル名付けで英和・和英辞典も欠かせない。これらはネットでも 手軽に検索できるのでそれを使っても問題無い。分厚い本が無いとしっくり来ないのは単に古い人間だからか!?
 そして電卓。ウィンドウズのアクセサリーにも標準装備されているから別に用意することもないかもしれないが、 当局では大学時代使っていた関数電卓は今も手元に置いてある。素材の設計上平方根は無いと困るし、三角関数も使うこともある。 システム開発ではスロゲーにおける確率計算で指数・対数も使う。え?数学は苦手だ? 何のために√ sin cos tan log … を勉強せにゃならんのかと思ってないですかい? こういう場面じゃ当たり前のように出てきますよん。
 更には説明書やら何やら…。でもヘルプを利用する分には問題無いかもしれない。

データ管理は徹底せよ。

 フロッピーディスクやCD−RW(もう古い!?)今ではDVD−RWやフラッシュメモリーが主流となったが、普段のセーブは HDDだけでもちろんよいとしても、PCはいつ逝ってしまうか分からないものである。ウイルスにやられたり したらそれまでの苦労がパー、そうでなくてもHDDは"消耗品"と言われているほど万能ではない。万一データが飛んだりしたら完全にやる気は消滅するだろう。
 よってゲームフォルダごと定期的にバックアップをとるべし。もちろん ゲームデータそのものだけではない。一度集めた素材もまたすぐに集められるわけでないし、ワードやエクセル等でデータベースや設定資料集を作ることもあるだろう。そういったものも すべてバックアップするべし。データぶっ飛びを凌駕するような精神的ダメージはまず無いのだから…。
 PCのフリーズ現象は昔ほどではないが、HDDのデータぶっ飛びに比べれば圧倒的に発生する危険は高い。 かくして普段制作中も上書き更新ボタンはこまめに押すべし。だが、試行錯誤の段階でやり直しが必要な場面も出てくるであろう。 そういう時は必ずセーブしてから作業が完全に終わるまでノーセーブにするか、自信が無ければ別フォルダにバックアップするべし。 ゲーム作りに限らずとも、PCを扱う上ではすべてにおいて基本である。ゲームプレー中のセーブも同じであろう。

眠い時は寝るべし。

 これは別にゲーム開発に限ったことではない。眠いと確実に注意力散漫となり、当たり前のようにできる作業もくだらないミスを誘発する。 ツクール程度のゲーム開発では人命にかかわることは無いにしても、何かの軍事施設のシステム開発でプログラムミスを犯したりしたら、下手したら世界が滅びることだって無きにしもあらず…である。 それは大げさにしても、もっと身近なことであれば、自動車の運転中での居眠りは人命にかかわる。
 かくしてゲーム制作に当てはめた場合、素材開発ならばそれなりに完成度はヘボくなって結局 やり直すことになる。そしてプログラムミスによるバグ発生もまた二度手間となり、確実にやる気を削る要素でもある。あ〜、もう寝ようと寝たのはいいが、いざ続きをやろうと思ったらどこがおかしいかが把握できない。あ〜、やる気が失せる……。 結果的に二次・三次災害をもたらすことにもなりかねない。常に思考回路は良好な状態で作業をした方がいいに決まっているのである。
 科学的には睡眠の深い浅いの周期は1.5時間周期と言われている。睡眠を取るなら1.5時間の倍数(1.5、3、4.5、6、7.5、…) にすると寝起きがいい。実際当局でも実証済みなので有効な手段である。

作業環境を整えよ。

 当局の作業場は昼まで太陽が当たらないため、とにかく午前中はうすら寒くて体が動かない。午後になればそれなりに 気温が上がるが、冬はともかく夏には灼熱地獄となってしまう。こういう環境では本当に作業効率が悪くなる。 他にも何かと騒音が多くて中断したりと、何だか集中できない要素が多く、結局夜間作業が最も効率がいいかもしれない。 これに関しては人それぞれだが、とにかく劣悪な環境では作業がやりにくいのは当然と言えよう。

規則正しい生活をするべし。

 世の社会人とて何十年も同じ仕事を続けるには不規則な生活ではやっていけないはず、年寄に長生きの秘訣を問えば、 例外無く毎日規則正しく生活しているはずである。やりたい作業があれば他のことを惜しんでまでも突き進みたくなるのは やまやまだが、睡眠や食事に至るまで惜しむのは効率がいいようでも逆効果。必ずやそのツケは回ってくる。睡眠時間を 削れば後で眠気に襲われて長時間睡眠で結局ちゃら。偏食やその他の要因で体調を崩し、医者の世話になって時間と金を 費やすのでは結果的に無駄となる。食事の支度が面倒だから毎日コンビニで済ます…栄養の問題もあるが、 そんなに予算があるのか? 貧乏の当局は羨ましいよ〜……。学生のうちなら多少の無理が利くかもしれないが、 育ち盛りのうちに睡眠不足や偏食を続けると後で成長に支障をきたすことになるだろう。美容と健康にも絶対良くない。 まして30過ぎると徹夜はかなりきつい。あ゛〜、思いっきり自爆……。
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