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RPGツクール2000・マップ作りの裏技(理論編)

知っていれば便利ですが、知らないと月本國素材は完全攻略できません。

画面上のマップを構成するもの

 RPGにおいてマップはキャラの生活の場所であり、常に画面上に展開されるわけである。よって、チップの配置・通行属性・イベント配置…
どれも細心の注意を払って組まないと不自然なものになり、最悪の場合移動不能に陥ってゲーム停止なんてことにも なりかねない。
 RPGツクール2000におけるマップというのは事実上、マップチップ・キャラセット・ピクチャーの組み合わせで構成されることになる。元来マップチップだけなのだが、
これだけでは当局の素材では容量不足でまず組めない。そこで足りないものは画面上に表示できるキャラセットとピクチャーを補うことで擬似的にマップとして構成させる
必要がある。尚、これはRPGツクール2000の製品版で組むことを前提としたものであり、体験版ではイベントの 配置数制限に引っかかってキャラセットの配置は
大幅に制限されてしまう。こればかりは御了承願いたい。

マップチップ本体は競争率が高い

 マップチップは下層チップ・上層チップに分類されている。元来はキャラの移動する地面や床、移動を区切る山や外壁等を作り、地形の設定を行うのが下層で、
それらの上に配置するオブジェクトが上層というのがメーカー側の趣旨である。
 だが、480×256という限られた容量でこの2種を完璧に振り分けることは可能か? 1枚のマップチップをフル自作したことがある人には分かるであろう。
まず不可能である。必ずや"帯に短し襷に長し"、いや、常に"両方短し"の状態に陥る。ならばどう振り分けるか? 

下層チップ
・透明色を必要としない。
・地形設定を必要とする。
・自動生成仕様が可能である。
・地面・床等(通常移動する部分)を作成する。
・山・壁等(通常区切る部分)を作成する。
・アニメチップ(特に水面)を作成する。
上層チップ
・透明色を必要とする。
・通行可能属性・くぐり属性を要求される。
・配置した場所にイベントを必要としない。
上下層共通
・マップ上の配置頻度が高い。
・1×2区画(16×32)に収まらない大きさのオブジェクトである。

 そして、これらに該当しないチップは原則としてキャラセットに追いやられる。

 以上がおおまかな振り分けである。下層の透明色は遠景を設定するのには必要となるが、それは1区画が完全に透明色のチップを用いることになる。
部分的に透明色のあるチップは下層ではほぼ必要無い。
 強制的にマップチップにする必要の無いものは、理論上はすべてキャラセットで代用できる。だが、それはどうしてもマップチップの容量が足りなくて困った場合の非常手段に
とどめておきたい。これらの条件にあてはまるマップチップは、可能な限りマップチップ本体に収録されるべきである。さもないと作りにくくてしょうがない。
 見たところ、上層チップには条件が少ない。それは何故か? キャラセットで代用できるものが多いからである。しかもマップチップを配置した場所が
そのままイベント配置場所になる確率が高いのである。ならば最初からキャラセットで作ってしまえば手間が省ける。

追いやられたキャラセット達

 ここで言うキャラセットとは、歩行グラフィック以外のオブジェクトを指すことにする。
 それではキャラセットというのはマップチップ本体からリストラされた雑草軍団でしかないのか? それは違う。キャラセットだけでしかできないものだってある。
 例えば、下層チップの床の上に上層チップで透明色のあるテーブルを置き、その上にグラスを置く場合。この場合はグラスをキャラセットにしないと不可能である。
基本的に上層に透明色が含まれ、下層・上層だけでは足りない場合にはキャラセットが活躍する。特に椅子やテーブルのある場面では頻度が高い。
 他には透明色を必要とするアニメチップを作成する場合にも欠かせない。当局のオブジェクトならば、振子時計や自動改札の扉がこれに該当する。
キャラセットは一つ一つがイベント配置時に通行の可否・くぐりの可否が設定できるので、こういうマップ組みでは不可欠となる。 アニメ動作させるには「イベントエディタ」の「プライオリティタイプ」を操作するだけで可能である。


・「通常キャラと重ならない」…通行不可にしたい場合。
 但し16×16をはみ出るグラフィックでは残りがくぐり属性となる。
 イベントグラフィックにキャラセットを設定した場合、グラフィックの有無にかかわらずデフォルトで設定される。
・「通常キャラの下」…通行可にしたい場合
24×32をいっぱいに使ってもすべてグラフィックはキャラの下となる。 イベントグラフィックに「*チップセット1~3」を設定した場合、チップセットの通行属性にかかわらずデフォルトで設定される。
・「通常キャラの上」…くぐり可にしたい場合24×32をいっぱいに使ってもすべてグラフィックはキャラの上となる。

注:キャラセットは通常24×32という寸法であるが、16×16というのは、そのうち上半分の16と左右4ずつを削った残りの部分が該当する。

 てなわけで事実上、キャラセットはすべてマップチップとして代用できるのである。尚、16×16より大きいキャラセットを隣接させ、同じ通行属性にした場合は
表示はどうなるのか? イベントIDの大小にかかわらず、X/Y各座標の大きい方、すなわち 画面右・画面下にある方が優先して表示され、他方は隠れて表示される。

 したがってマップチップの容量には限界というものは無いに等しいが、1枚のマップにおけるチップの需要を考慮すれば膨大な量のキャラセットで補佐する必要もない。
多くてもマップチップ本体+付属キャラセット4~5枚で足りる(やっぱり多いのだが……)。

最終手段 これでも足りなきゃピクチャー導入

 キャラセットだけで足りると言いながらも何故足りないと言うのか? それはキャラセットはすべて1~2区画単位の配置が要求され、多用するとマップのファイル容量が
かさんでしまうからである。ならば形の大きなオブジェクトは 1枚のピクチャーにしてしまえば合理的であろう。だが、問題点としてピクチャーは通行属性の設定ができない。よってピクチャーで 隠れるチップセットの通行属性を細かく設定する必要がある。ピクチャーは配置の設定にかなり手間がかかるので、現在は当局でも試験中の段階である。
 マップでは遠景として用いる以外は本当に最終手段としてしか用いるべきでないだろう。現在はダンジョンチップ「郷愁の街角(外)」「駅Ⅱ」での道路上の自動車や 線路上の列車にピクチャーを用いることを検討している。これらはさすがにキャラセットでは作りにくい。


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