ストーリー
周囲は山・山・山…
月も太陽も早々と隠れる山間の駅から始まる物語
出張で首都・大都から列車を乗り継ぎ、ローカル線の駅に降り立った一人のフリーター。
立ち寄った食堂で騒動に巻き込まれ、経営危機を救うためツケを払わない悪質常連客に立ち向かう。
駅から始まり駅で終わる、オトナの現代和風RPG。
燦々(さんさん)ときらめく大都会の影に隠れ、
地方都市には静寂な時が流れる…
物語本編は全国各地で自治体の大合併が進んだ時代にさかのぼる。
舞台は当時無理矢理昇格したばかりの地方都市。実態は新幹線も高速道路も遠く、山に囲まれたド田舎。若者は流出し、高齢化は進む一方…。
そこへ大型ショッピングセンターがオープン、町は少しばかり活気付いたのだが、中心市街地は益々空洞化し、壊滅寸前の商店街が軒を連ねる。
駅前通りに古くからある食堂…店主は出稼ぎに行ったまま音信不通、必死に店を守るおかみと看板娘。
陽の当たらない町で社会から蔑(さげす)まれたフリーターは一人戦い続ける。
Ver2では、本編終了後に物語が続く。
音信不通の店主はいずこ?
見つけることはできるのか?
そして10年の時が流れる。
主人公はフリーター生活から抜け出せるのか?
ますます過疎化が進む町で、
食堂は生き残れるのか?
物語の舞台
「蛯原県波見市若林」
(えびはらけん はみし わかばやし)
自由行動中は、小島橋~宮坂口~北塩崎~森下橋の範囲内を探索可能。
フィールドマップ上では移動可能な場所にのみシンボルが点滅(隠しマップは無い)、物語が進めばシンボルは増えて行く。
移動中に交差点と橋の上を調べると案内標識が出る。
- A.GR小豆川線・波見若林駅
(町の玄関口 物語の始まりの場所)
波見警察署若林駐在所
(駅の横 色々と世話になる) - B.井上食堂
(活動拠点 行き詰ったらとりあえずここに戻ってチカに話すべし)
井上荘
(生活の場 途中のイベントは全部ここから開始) - C.波見市役所
(出張の目的地 ゲームのヘルプファイル的存在) - D.総合大型ショッピングセンター「FANCY」 (買い物はここでほぼ間に合う 住民も多く集まる)
- E.リサイクルストア「フェニックス」
(不要アイテムの引取りは何でもOK 0円買取多数だが…?) - F.コンビニ「24」波見若林店
(若林で唯一のコンビニ FANCYより値段は高めだが、集客力は高い) - G.太子公園(子供や年寄りの憩いの場)
物語の舞台は、かつて全国的に行われた大合併の流れに乗って誕生した蛯原県波見市。
2町6村(世田郡若林町・上馬町・下馬村・三茶村・宮坂村・松原村、千代田郡北丸村・麹村)が合併したものの、人口は約32000。
2つの郡から寄せ集めて
無理矢理基準を満たしたという感じ。
旧:若林町はその中で最大の人口(約10800)だった町で、旧:若林町役場がそのまま波見市役所の本庁舎となり、
波見市の実質上の中心となっている。
もっとも、地元民は昔も今も「若林」と呼ぶのが常識である。実は「波見」の地名は蛯原県全域の旧国名を丸ごと指すので、
あまりに不釣合いなネーミングなのである。
若林は、南北を高い山にはさまれ、東西に横切る小豆川沿いのわずかな平野に開けた古くからの宿場町である。
町を結ぶ生命線は、昔から波見街道と称されてきた
月本国道102号線と、GR小豆川線の線路が、小豆川の流れに沿って並行する。
県庁所在地:蛯原市までは西へ約60km、首都:大都から続くメインルート上で新幹線が停車する
色県小豆市(いろけんあずきし)までは、
県境を越えて東へ約53kmと、いずれもそれなりに遠い。花形産業は特に無く、若者は流出し、町では高齢化が加速している。
そんな中で、最近になって国道バイパス沿いに郊外型の総合大型ショッピングセンター「FANCY」がオープン、市内だけでなく近隣からも上々の集客効果を挙げている。
税収の乏しい市にとっても、この経済効果には大きな期待を寄せている。
しかしながら、一方で旧市街地は益々空洞化が加速…。旧国道沿いに軒を連ねていた商店街は壊滅状態となり、辛うじて生存している店も風前の灯火となっているのであった。
プロローグ
物語の始まりはGR小豆川線・波見若林駅。すぐ南まで山が迫り、一日中陽の当たらないローカル線の駅。
単線区間で蛯原と小豆の中間に位置する小豆川線の運行上の要所。両方向から来た列車が一日何度か鉢合わせては交換する。
列車が来れば一時の賑わいを見せるが、自家用車に押され気味なのはどこの地方も同じ。
だだっ広い駅前広場はいつも閑散としている。
首都・大都から新幹線に乗り、小豆を経由して約4時間。駅に降り立った主人公・勇人。
出張で遠路はるばるやって来たものの、早速食事をしたくても駅には施設が無い。
そこで駅前で色々聞いてやって来たのは「井上食堂」だった。
シャッター街と化した駅前商店街の中で細々と営業を続けているが、味は素晴らしいのにどうも繁盛していない。
FANCYのOPEN以来客が減ってしまったのだ。更に大都に出稼ぎしているという店主からも仕送りが途絶え、借金を抱えていた。
「悪質常連客からツケを回収できれば窮地をしのげる」という店のおかみ・アヤ。
勇人は看板娘・チカと手を組み、ここにツケ回収の戦いが始まるのであった。